村の路地を抜けた先、ひっそりと佇む集落の一画。ご主人の故郷へのUターンをきっかけに暮らしの計画が始まり、長く空いていた土地に人の営みが戻ることを、地域の人々もあたたかく迎えてくれた。
風景に溶け込むよう、建物は交差する切妻屋根と落ち着いた塗り壁で構成。控えめながら凛とした佇まいが、まわりに静かに寄り添っている。室内は、ヒノキ材の軒天へと続く勾配天井が広がりを生み、梁や柱は構造の力強さと素材の質感をそのまま伝えてくれる。
設計の軸に据えたのは“ジャパンディ”という静かな思想。和の品格と北欧の機能美が調和するよう、光と余白のバランスを整えている。
十字窓からこぼれる朝の光が、日々の一場面にさりげない美しさを添える。懐かしさと心地よい緊張感が息づく、静かで力強い住まいがここに生まれた。
所在地 | 滋賀県長浜市 |
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1階面積 | 72.66㎡ (21.97坪) |
2階面積 | 39.33㎡ (11.89坪) |
建築面積 | 77.22㎡ (23.35坪) |
延床面積 | 111.99㎡ (33.86坪) |
工 期 | 5ヶ月 |
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